スーツを着用するときに欠かせないワイシャツを選ぶ際、「マナーはある?」「結局同じようなものばかり」といった悩みを持っていませんか?

スーツに合わせるワイシャツは、基本的なマナーを守りつつ、相手に与えたい印象に合わせて選ぶことが大切です。

この記事では基本マナーを押さえたワイシャツの選び方やコーデ例、お手入れ方法などを解説します。

執筆者
The Style Dictionary編集部
ライター スガカナコ
スーツスクエアの店舗スタッフやオンラインストアの運営を10年ほど経験したのち、ザ・スタイルディクショナリー編集部に。現場経験から得た、ビジネススタイルに関する知識を広めるべく、日々情報を発信している。

1. 【基本マナー】スーツに合わせるワイシャツの選び方

スーツに合わせるワイシャツを選ぶ際の基本的なマナーについて解説します。

1-1. 【サイズ】身体にフィットするものを選ぶ

ワイシャツのサイズは、首回り裄丈(袖丈)を基準にして、身体にフィットするものを選びましょう。

ワイシャツのサイズ感

【左:首回り】ボタンを留めた状態で、指2本程度入るゆとりがベスト
【右:裄丈】手をおろした状態で、手首のくるぶしが隠れる長さがベスト

首回りはボタンを留めた状態で、指2本程度が入るゆとりのあるサイズ感が理想です。裄丈は手を下ろした状態で、手首のくるぶしが隠れる程度の長さを目安にしましょう。

手持ちのワイシャツでジャストサイズのものがあれば、タグから手軽に自分のサイズを確認できます。例えば、「39-82」と記載がある場合は「首回り39cm・裄丈82cm」という意味です。紳士服店でワイシャツを選ぶ際、同じサイズのものを探してみてください。

また、ジャケットを着用した際、ジャケットからワイシャツの袖が1〜2cm程度見える長さであるかどうかも、基本マナーとして押さえておきたいポイントです。

ジャケットからワイシャツの袖がまったく見えていなかったり、反対に見え過ぎていたりすると、サイズが合っていない印象を与える可能性があります。

なお、スーツ専門店では無料でサイズ計測をしてもらえることがほとんどです。ワイシャツのサイズ選びで不安がある方は、スーツ専門店でプロに確認してもらいましょう。

一般的なワイシャツのサイズ

首回り:37(S)~45(3L)cm程度
ボタンを留めた状態で指2本程度入るゆとりがベスト
裄丈:80~90cm程度
手をおろした状態で手首のくるぶしが隠れる長さがベスト

TSD編集部・スガ
コメント

「自分の身体にフィットしている=きちんと見える」ため、好感度が上がります。

身体にフィットするものを選ぶと、上着の中でもたつくことなく、ネクタイを締めてもきれいにおさまりますよ!

1-2. 【デザイン】TPOに合わせて選ぶ

ワイシャツデザインのイメージ

デザインを構成する色柄・生地・襟型によってワイシャツのフォーマル度は異なるため、TPOに合わせたデザインを選ぶ必要があります。

デザインを構成する色柄生地襟型によってワイシャツのフォーマル度は異なるため、TPOに合わせたデザインを選ぶ必要があります。

基本的には、白無地に近いほどフォーマル、色柄が派手なものほどカジュアルな印象が強まります。

主な襟型には以下の種類が挙げられ、それぞれ特徴と適した着用シーンが異なるため注意しましょう。

襟型の種類 特徴 着用シーン
レギュラーカラー
  • 最も一般的で基本の形
  • 襟の角度は約70~90度で、汎用性が高い
     
・フォーマル
・ビジネス
・カジュアル
セミワイドカラー
  • 襟の角度が約90~100度と、レギュラーカラーよりやや広め
  • レギュラーカラーよりすっきりとした印象を与えられる
     
・フォーマル
・ビジネス
・カジュアル
ワイドカラー
  • 襟の角度が約100~120度と、セミワイドカラーよりやや広め
  • 「ウィンザーカラー」とも呼ばれ、ウィンザーノットといったネクタイの結び方と相性がよい
     
・フォーマル
・ビジネス
・カジュアル
ボタンダウンカラー
  • 襟先を身頃にボタンで留める形
  • カジュアルな印象が強いため、オフィスカジュアルやクールビズに最適
     
・ビジネス
・カジュアル

また、クールビズの普及により、夏場に半袖のワイシャツを取り入れる方が増えています。
ただし、取引先との商談や会議など、フォーマルな場面では長袖のワイシャツを着用するのが基本マナーです。

現在は長袖でも冷感のものや通気性に優れたものなど、機能性の高いワイシャツも登場しています。
フォーマルな場面で着用する予定のある方は、シーンを選ばない長袖のワイシャツを選んでおくと安心です。

1-3. 【機能性】悩みに合わせて選ぶ

ワイシャツ機能性のイメージ

ワイシャツの中には、手入れが簡単だったり、快適に着られたりする機能が付いているものもあります。

自分の悩みを解消できる機能があるかどうかを基準に、ワイシャツを選ぶのもよい方法です。

代表的な機能とそれぞれの特徴を以下の表にまとめました。

機能の名称 特徴
ノンアイロン(形態安定) 洗濯してもシワが付きにくいため、アイロンがけの負担を軽減してくれる
クールマックス(吸汗速乾) 汗を吸って素早く乾かしてくれるため、ワイシャツの中を快適に保ってくれる
ストレッチ・ジャージー 生地の伸縮性が高いため、動きやすさに優れている

ノンアイロンとストレッチの両方の機能を持つワイシャツなど、複数の機能を備えた商品もあります。解消したい悩みに合うワイシャツを探してみましょう。

関連商品をチェック!

ノンアイロン(形態安定)のワイシャツを見る
クールマックス(吸汗速乾)のワイシャツを見る
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2. 【デザイン別】スーツとワイシャツの組み合わせ例

ワイシャツのデザイン別にスーツとのコーデ例を紹介します。

2-1. シンプルなワイシャツのコーデ例

シンプルなデザインの代表例

シンプルなデザインのワイシャツは、以下のようなコーディネートがおすすめです。

シンプルなデザインのワイシャツは、グレーやネイビー、カーキなど、さまざまなカラーのスーツと相性がよく万能です。

色柄のあるネクタイを合わせても派手になり過ぎないため、小物を調整してコーディネートを楽しめます。

また、白無地だけでなく以下の特徴を持ったワイシャツであれば、汎用性高く着用できるでしょう。

特徴
生地の凹凸感で折り模様を表現した織柄 ・シャドーストライプ
・ツイル
・ドビー など
遠目で見たときにうっすら色味を感じる淡いカラー ・サックスブルー
・ピンク
・ベージュ など

白無地と同様に清潔感があるため、ちょっぴりお洒落な印象に着こなせます。

レギュラカラーシャツ 白 無地

レギュラーカラー/白無地

ワイドカラーシャツ 白 織柄

ワイドカラー/白織柄

ワイドカラーシャツ サックスブルー 無地

ワイドカラー/サックスブルー無地

ワイドカラーシャツ ピンク 織柄

ボタンダウンカラー/ピンク織柄

TSD編集部・スガ
コメント

シンプルなデザインの基準は「遠くから見て無地に見える or 白っぽく見える」こと。

つまり「淡いカラー×織柄」の組み合わせも、もちろんOKです!

2-2. ワンポイントデザインの入ったワイシャツのコーデ例

ワンポイントデザインの代表例

ワンポイントデザインの入ったワイシャツは、以下のようなコーディネートがおすすめです。

 

アクセントになる色付きのボタン襟先やボタンホールにカラー糸を使用したステッチ襟と身頃で色柄が異なるクレリックカラーなど、さりげないお洒落を楽しめるのが特徴です。

シンプルで落ち着いたカラーのスーツでも、ワンポイントデザインの入ったワイシャツを合わせることで、いつもとは違う表情で着こなせるでしょう。


ジャケットやネクタイでワンポイントデザインが隠れる場合がありますが、そのぶん悪目立ちしないため、ビジネスシーンでも着用しやすいでしょう。

ワイドカラーシャツ ブルー ストライプ

ワイドカラー/ブルーストライプ

ホリゾンタルカラーシャツ 白 無地

ホリゾンタル/白無地

ワイドカラーシャツ 白 織柄

ワイドカラー/白織柄

ワイシャツ/ノンアイロンストレッチ/3BLOCK/クレリック&ボタンダウンカラー/ドレスシャツ

クレリック/ブルー

2-3. 柄の入ったワイシャツのコーデ例

ストライプの代表例

柄の入ったワイシャツは、以下のようなコーディネートがおすすめです。

アクセントになる色付きのボタン襟先やボタンホールにカラー糸を使用したステッチは、スーツスタイルが地味な印象になるのを防いでくれます。

ジャケットを脱いでワイシャツ一枚になった際も、お洒落な印象にまとまるのが魅力です。

なお、ロンドンストライプやギンガムチェックはよく知られたデザインではあるものの、柄が華やかでコーディネートがやや難しいため、上級者向けのアイテムといえます。

そのため、まずは今回紹介した写真のような控えめな柄のワイシャツから取り入れ、少しずつバリエーションを広げていくのがおすすめです。

3. スーツのワイシャツに関するQ&A

ここでは、スーツのワイシャツに関するQ&Aをまとめました。

Q1. ワイシャツの下には何を着ればよい?

ワイシャツの下にはインナーを着用するのが基本マナーです

インナーを着用することで、素肌が透けるのを防ぐだけでなく、汗を吸収したり保温効果があったりするなど、ワイシャツの着心地がよくなります。

形は年中通して着用しやすい半袖やタンクトップのインナーがおすすめです。

色はワイシャツから透けにくいベージュやライトグレーを選んでおくと、さまざまな色・柄・生地のワイシャツに対応できます。

なお、ワイシャツから透けにくいイメージのあるホワイトは、肌の色と差があることから、意外と目立ってしまう場合があるため注意が必要です。

Q2. ワイシャツの価格相場はどのくらい?

ワイシャツの価格相場は、2,000円~1万2,000円と幅があります。そのため、予算や求める品質に合わせて選びましょう。

スーツに合わせるワイシャツを初めて購入する方は、低価格のものから試すのがおすすめです。

いくつかのワイシャツを試し、好みのデザインや求める機能性がわかってきたら、バリエーションを広げていくとよいでしょう。

Q3. ワイシャツを長くきれいに使うには?

ワイシャツを長くきれいに使うには、普段の洗濯だけでなく、ひと手間かけたお手入れも必要です。

例えば、「日常生活で付いた襟や袖口の黒ずみ」「食べ物や飲み物によるシミ」「ボールペン汚れ」などは、洗濯機に入れる前に軽く部分洗いしておくと汚れが落ちやすくなります。

また、「わき汗による黄ばみ」「洗濯してもとれないニオイ」「白シャツのくすみ」などは、衣類専用のホワイトニング洗剤を使うと効果的です。

ただし、ワイシャツの生地によってはホワイトニング洗剤と相性が悪く、生地が傷んだり部分的な脱色を起こしたりすることがあります。

そのため、手持ちのワイシャツがホワイトニング洗剤を使用してもよいものかどうかを必ず確認してください。

洗濯前の部分洗いやケア用品の活用で、ワイシャツをきれいに長持ちさせましょう。

TSD編集部・スガ
コメント

頑固な汚れは、クリーニング店に相談してみるのもおすすめ。

ただし、クリーニング後のビニール梱包はカビ発生の原因になりかねないため、必ず外して保管しましょう。

4. まとめ

お洒落なワイシャツのイメージ

スーツに合わせるワイシャツは、サイズや着用シーン、解消したい悩みに適したものを選ぶことが大切です。

シンプルな色柄のワイシャツであれば汎用性が高く、さまざまなコーディネートを楽しめます。

ビジネスシーンで好印象を与えるには、スーツだけでなくワイシャツのシワや汚れなどの日常的なケアも欠かせません

スーツに合わせるワイシャツを購入する際はぜひ参考にしてください。

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