スーツをオーダーする際の、最大の楽しみと言っても過言ではない「生地選び」。オーダー初心者にとっては緊張の瞬間でもあります。でも、基礎知識が入っていれば、不安に思うことなくスタッフさんに相談できますよね。こちらでは、代表的な3か国に分けて、生地の特徴とおすすめブランドをご紹介。お気に入りの生地を探すヒントにしてみてください!

1. 世界一しなやかでエレガントと称される「イタリア製」ブランド

イタリア

ファッションの世界におけるトレンドリーダー、イタリア。この地で生み出される素材は、繊細さと艶をあわせもちます。特にナポリの自然からインスピレーションを得た、表現力豊かな色柄は発色性がよく、柄のバリエーションも豊富です。その上質で柔らかく、しなやかで洗練された素材で仕立てられるスーツは、まさにエレガント。身体にもよく馴染み、軽やかな着心地が味わえます。

1-1. REDA(レダ)

REDA(レダ)
REDA(レダ)

イタリア・ビエラで150年の歴史と信頼を培ってきたREDA(レダ)。美しい艶や、しなやかさ、高い機能性と耐久性を追求した素材を、一貫生産、開発しています。そのコレクションは、素材の良さだけでなく色や柄などのデザイン性にも優れ、トラディショナルなものからモードなものまでバラエティに富んでいます。

1-2. Vitale Barberis Canonico(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ)

Canonico
Canonico

イタリア・ビエラ地区に拠点を構えるVitale Barberis Canonico(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ)は、1663年創業の伝統あるテキスタイルメーカー。高品質、細番手の高級ウールを提供し、イタリアでも信頼のあるブランドとして高い人気を誇っています。最新鋭の紡績機、織機を使い、高品質でありながら高いコストパフォーマンスを実現しています。

1-3. Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)

Zegna
Zegna

品の良いツヤはイタリア製ならでは!

Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)は1910年に北イタリアで創業されたイタリア最高峰の服地メーカー兼プレタブランドです。原毛の買い付けから、素材の開発、紡績、機織、染色、仕上げ、さらには製品化までを自社工場で一貫して行っており、イタリア服地メーカーの中でもリーダー的存在として知られています。

1-4. Loro Piana(ロロ・ピアーナ)

Loro Piana(ロロ・ピアーナ)
Loro Piana(ロロ・ピアーナ)

太陽のもとでより一層つやめくイタリア生地。

Loro Piana(ロロ・ピアーナ)は、イタリア毛織産業の中心地である北イタリア、アルプス山麓ビエラ地区で180年余りの歴史を持つテキスタイルメーカーです。最良メリノウールの称号を毎年獲得するなど、業界で高い評価を受けています。また、カシミアやビキューナといった高級素材でも世界屈指のブランドです。

1-5. CARLO BARBERA(カルロ・バルベラ)

CARLO BARBERA(カルロ・バルベラ)
CARLO BARBERA(カルロ・バルベラ)

世界一美しいと称されているラグジュアリーな生地。

1949年にイタリア・ビエラ地区で創業したCARLO BARBERA(カルロ・バルベラ)は、ゼニアやロロ・ピアーナに並ぶイタリアのテキスタイルブランドです。紡がれた糸は、温度と湿度が保たれた地下倉庫に1年以上エイジングされ、その糸で織り上げられた素材は世界一美しいと称されています。

2. 伝統と格式を重んじた質実剛健な「イギリス製」ブランド

イギリス

スーツ発祥の地とされるイギリス。特に伝統と格式を重んじ、質実剛健を重視するサビルロウで生み出される素材は、まさにシンプルかつ重厚。しっかりとした肌触りでコシがあり、シワにもなりにくいという特徴があります。そんな素材で作られるスーツはまさにクラシック。時代に流されない、独特の風合いの良さが実感できます。また耐久性にも優れ、着込むほど自分の身体に馴染んできます。

2-1. DORMEUIL(ドーメル)

DORMEUIL(ドーメル)

「最高の品質を最高のおもてなしで」と刻まれた紋章。

DORMEUIL(ドーメル)

DORMEUIL(ドーメル)は、ヨーロッパのセレブを常連に持ち、上質な素材を提供し続けてきた紳士服の最高峰素材メーカーです。その紋章に刻まれた「最高の品質を最高のおもてなしで」という言葉通りに最高品質の服地を作り続け、世界80か国以上に、その素材を供給しています。

2-2. ABRAHAM MOON(アブラハム・ムーン)

ABRAHAM MOON(アブラハム・ムーン)

ツイード素材に定評あり。ジャケットやコートにも◎

ABRAHAM MOON(アブラハム・ムーン)

ABRAHAM MOON(アブラハム・ムーン)は、1837年、北イングランド・ブラッドフォードにて創業。染色・紡績・整理などの全工程を、英国工場内で一貫して手掛けています。シェットランドやラムズウールなどを使ったジャケット生地が有名であり、幅広い顧客を世界中に持っています。

3. 機能性に富み日本の風土に適した「日本製」ブランド

日本

スーツをビジネスユニフォームとしてとらえた、合理的で堅実な生地が魅力です。変色や引き裂きに強いといった、日本特有の細やかな技術と品質の高さは、世界からも大きな注目を集めています。また、日本の気候風土にマッチした機能性豊かな素材作りも追求。目的に応じてワールドワイドなコレクションを展開しています。

3-1. 御幸毛織

御幸毛織
御幸毛織

1905年の創業以来、国内の紳士服地分野で高い評価を得続ける御幸毛織(みゆきけおり)。その素材は自然な風合いと奥深い上品さを持ち、「長年着ていても型崩れがしにくい」と高く評価されています。自社牧場を豪州に持ち、羊毛の育成から製造・管理まで自社一貫生産を行える、世界でも数少ない素材メーカーです。

3-2. 日本毛織

日本毛織
日本毛織

「ニッケ」の愛称で知られる、国内で唯一、紡績からフィニッシュまで行う素材メーカー日本毛織(にほんけおり)しなやかなハリとコシ、弾力性を持つ素材はスマートなシルエットを作ります。毛羽立ちはなく、さらりとした繊細な肌触りもその特徴。シワになりにくく、重さを感じさせない着心地の良さでも評価を得ています。

4. まとめ

各国の代表的なブランドと共に、生地の特徴もご紹介しました。生地選びのアドバイスとして、
●ファッション性を重視するなら「イタリア」
●紳士に似合う重厚感を重視するなら「イギリス」
●強度や機能性を重視するなら「日本」

を選ぶと良いと思います。

また、各生地ブランドにおいて、生地の風合い・色柄に個性があるので、
●自分の意見・・・好きな色、好きな柄、など。
●周囲(店舗スタッフ、家族、友人など)からの意見・・・似合っているか、オフィスの雰囲気に合っているか、など。
を総合して、お気に入りの生地を選ぶのが良いと思います。せっかくのオーダースーツですから、大切に長く着用したいですもんね。
それでは、楽しいオーダースーツの世界へ飛び込んでいきましょう!

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