A Guide to BRITISH STYLE Vol.2
今なぜ、
ブリティッシュ
スーツに再注目?
ここ20年以上の間、
スーツの圧倒的主流になっていたのは
イタリア風の仕立て。
しかしスタイルの多様化が進む近年、
さまざまな国のテーラリングが
改めて見直されています。
そんななか、スーツスクエアでは
ビスポークテーラー平野史也さんに
監修を依頼した
ブリティッシュスタイルのシリーズを展開。
その特徴と魅力をご紹介します。
スタイリストが解説。
ブリティッシュスーツの
魅力って?
そもそも、イタリアンとブリティッシュの違いってなに? そんな疑問をもった方も少なくないのでは。スーツスタイルに詳しいスタイリスト四方さんは、次のように説明します。
「相手への礼を示し、佇まいを
美しく見せる。
そんなスーツの本質が
凝縮されているところです」
——スタイリスト 四方章敬さん
そもそも、イタリアンとブリティッシュの違いってなに? そんな疑問をもった方も少なくないのでは。スーツスタイルに詳しいスタイリスト四方さんは、次のように説明します。
「イタリアのスーツスタイルにおいて最も重要視されるのは“軽快感”。これは着心地だけでなく、見た目の雰囲気にもいえることです。たとえば、肩周りをシャツのようにふんわりと仕立てたり、裾のラインを流れるようにカーブさせたり。いっぽうブリティッシュスタイルは、威厳や格調、気品といったイメージを体現しています。肩、ウエストシェイプ、裾のラインなど、どこをとってもイタリアとは異なる特徴があります。生地についても、適度にウェイトがあり、パリっと仕立て映えするものが好まれます。
ここで改めて考えてほしいのが、“あなたは何のためにスーツを着るのか”ということ。きちんと装いつつ、軽やかさやスタイリッシュさも演出したいなら、イタリア流のスーツは絶好の選択です。しかし、ビジネスシーンやハレの場で誠意や敬意を表し、ドレスアップならではの品格を味わいたいと考えるなら、それを端的に叶えられるのはブリティッシュスタイルだといえるでしょう。
大切なのは、両者のキャラクターを理解し、シーンや目的によって使い分けること。そのあたりを意識して活用すれば、装いの幅がグッと広がりますよ」
1
立体的に仕立てた肩で
品格あふれる印象に
スーツの印象を大きく左右するのが肩周り。ブリティッシュスタイルでは、構築的な美しさを重視して品格を表現するのが特徴です。スーツスクエアの一着は、そんな英国の伝統をモダンにアップデート。端正な立体美はそのままに、肩パッドを省くことで快適な着心地も実現しました。
2
スタイルを美しく見せる
高めのウエスト位置
ウエストの絞り位置を高めに設定するのもブリティッシュスーツならでは。アワーグラス(砂時計)シェイプともよばれ、胸周りには適度なゆとりをもたせつつ自然にウエストを絞り、裾は腰周りを包み込むように仕立てます。これにより、プロポーションを美しく見せる視覚効果を発揮。
3
裾のディテールにも
英国らしさが宿ります
ブリティッシュスタイルの特徴はこんな細部にも。裾の両サイドに切れ込みを入れるサイドベンツ仕様ですが、イタリア流のスーツに比べてベントを長く切っているのに注目。ウエスト位置を高めにしているため、全体のバランスを計算してこの長さに設定されています。
4
優美なカーブを描く
インプリーツパンツ
パンツはクラシックなワンプリーツですが、イタリア流とは逆にひだが内側へ向く“インプリーツ”仕様にしています。これもブリティッシュスタイルでは定番。プリーツがカーブを描きながらクリースラインに繋がるため、優美な印象を演出することができます。
いっそう格調高い
スリーピースもデビュー
サヴィル・ロウ仕込みの
気鋭テーラー、
平野史也さんが監修
2025年秋冬シーズンからは、ベストつきのスリーピーススーツがコレクションに加わりました。ブリティッシュの真骨頂である格調高さが一段と引き立つ佇まいです。もちろんベストなしでも着られるため、コーディネートの幅がより広がるのも魅力。ベーシックな無地であることも手伝って、日常のビジネスシーンから晴れやかな場面まで活用できます。
着姿の美しさを後押しする
生地もポイント
生地は日本が誇る毛織物の名産地・尾州で織ったハイクオリティなウールを採用。もともと日本のスーツ生地作りは英国をお手本としていたため、両者には多くの共通点があります。とりわけ特徴的なのは、仕立て映え抜群のハリコシ。スーツのシルエットを美しく引き立てつつ、シワや型崩れに強いのが魅力です。
監修を手がけたのは、
気鋭ビスポークテーラー
平野史也さん
監修を手がけたのは、
気鋭ビスポークテーラー
平野史也さん
監修を手がけたのは、今最も注目を集めるビスポークテーラーのひとり・平野史也さん。2012年に渡英し、英国スーツの聖地サヴィル・ロウでカッターとして働いたのち独立。2020年から日本に拠点を移し活躍しています。伝統のブリティッシュスタイルをベースにしつつ、日本人の体型にも合わせた独自の仕立てを確立。クラシックファンだけでなく、普段デザイナーズブランドを着るような方々からも人気を博しています。